(目的)
第1条 この法律は,わが国における自転車の利用状況にかんがみ,自転車が安全に通行することができる自転車道の整備などに関し必要な措置を定め,もつて交通事故の防止と交通の円滑化に寄与し,あわせて自転車の利用による国民の心身の健全な発達に資することを目的とする。 (定義)
第2条 この法律において「道路」とは,道路法(昭和27年法律第180号)による道路をいう。
2 この法律において「道路管理者」とは,道路法第18条第1項に規定する道路管理者(同法第88条第2項の規定により建設大臣が改築を行う道路にあつては,建設大臣)をいう。
3 この法律において「自転車道」とは,次に揚げるものをいう。
一 もつぱら自転車の通行の用に供することを目的とする道路又は道路の部分
二 自転車及び歩行者の共通の通行の用に供することを目的とする道路又は道路の部分
4 この法律において「自転車道整備事業」とは,自転車道の設置に関する事業をいう。
(国及び地方公共団体の責務)
第3条 国及び地方公共団体は,第一条に規定する目的を達成するため,自転車道整備事業が有効かつ適切に実施されるよう必要な配慮をしなければならない。
(自転車道整備事業の実施)
第4条 道路管理者は,道路法第三十条の規定に基づく政令で定める基準に従い,自転車及び自転車の交通量,道路における交通事故の発生状況その他の事情を考慮して自転車道整備事業を実施するよう努めなければならない。
(自転車道の計画的整備)
第5条 建設大臣は,道路整備緊急措置法(昭和33年法律第三四号)第2条に規定する道路整備五箇年計画に関しては,自転車道の計画的整備が促進されるよう配慮しなければならない。
(自転車道専用道路等の措置)
第6条 市町村である道路管理者は,自転車の通行の安全を確保し,あわせて自転車の利用による国民の心身の健全な発達に資するため,市町村道であつて道路法第48条の7第一項の規定による指定をした道路又は同条第二項の規定による指定をした道路を設置するよう努めなければならない。
2 市町村である道路管理者が,河川法(昭和39年法律第167号)第6条に規定する河川区域(同法58条の二の規定により指定されたものを含む。)内の土地又は国有林野法(昭和26年法律第246号)第二条に規定する国有林野(以下この項において「国有林野」という。)である土地を利用して前項の道路を設置しようとする場合においては,河川又は国有林野の管理者は,河川又は国有林野の管理上支障のない範囲内において,その措置に協力するものとする。
3 国は,第一項の道路設置の促進に資するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう務めなればならない。
(自転車の通行の安全を確保するための交通規制)
第7条 都道府県公安委員会は,自転車道の整備と相まつて,自転車の通行の安全を確保するための計画的な交通規制の実施を図るものとする。